Nextcloud 18 -> 19 アップグレード時のセキュリティ&セットアップ警告を解決

Nextcloud 18 がEoL になっていたので,Nextcloud 18.0.14 から Nextcloud 19.0.7 にアップグレードしました.

表 1. Maintenance and Release Schedule · nextcloud/server Wiki
release date end of life current version next version

20

2020-10-03

2021-10

20.0.7 (2021-02-02)

20.0.8 (2021-02-25)

19

2020-06-03

2021-06

19.0.8 (2021-01-27)

19.0.9 (2021-02-25)

18

2020-01-16

2021-01

18.0.14 (2021-01-27)

End of Life

$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/occ app:update --all
$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/updater/updater.phar
$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/occ app:update --all

以前実行したときと比べて「セキュリティ&セットアップ警告」の内容が違っていたのでメモしておきます.

警告を解決

警告メッセージ全体
セキュリティ&セットアップ警告
サーバーのセキュリティとパフォーマンスにとって重要なことは、すべてが正確に設定されていることです。あなたの助けとなるよう、Nextcloudでは一部の自動チェックを行っています。詳細な情報は、リンク先のドキュメントを参照してください。

セットアップに関して警告がいくつかあります。
PHPのメモリ制限が推奨値の512MB以下です。
"Strict-Transport-Security" HTTPヘッダが最低でも "15552000" 秒に設定されていません。セキュリティを強化するには、セキュリティTips ↗で解説しているHSTSを有効にすることを推奨します。
Webサーバーは適切にホスト名 "/.well-known/caldav" が引けるように設定されていません。より詳しい情報については、ドキュメントを参照ください。
Webサーバーは適切にホスト名 "/.well-known/carddav" が引けるように設定されていません。より詳しい情報については、ドキュメントを参照ください。
メモリキャッシュが設定されていません。可能であれば、パフォーマンスを向上するため、memcacheを設定してください。より詳しい情報はドキュメントで参照できます。
データベースにいくつかのインデックスがありません。 大きなテーブルにインデックスを追加すると、自動的に追加されないまでに時間がかかる可能性があるためです。 "occ db:add-missing-indices"を実行することによって、インスタンスが実行し続けている間にそれらの欠けているインデックスを手動で追加することができます。 インデックスが追加されると、それらのテーブルへのクエリは通常はるかに速くなります。
テーブル "oc_calendarobjects_props"のインデックス "calendarobject_calid_index"が見つかりません。
テーブル "oc_schedulingobjects"のインデックス "schedulobj_principuri_index"が見つかりません。
テーブル "oc_properties"のインデックス "properties_path_index"が見つかりません。
データベースにはオプションのカラムがいくつかありません。大きなテーブルにカラムを追加するには時間がかかるため、オプションのカラムは自動的に追加されませんでした。"occ db:add-missing-columns"を実行することで、不足しているカラムはインスタンスの実行中に手動で追加することができます。カラムが追加されると、応答性や使い勝手が改善される可能性があります。
テーブル "oc_comments" にオプションのカラム "reference_id" が存在しません。
このインスタンスには推奨されるPHPモジュールがいくつかありません。 パフォーマンスの向上と互換性の向上のために、それらをインストールすることを強くお勧めします。
intl
bcmath
gmp
データベース内のいくつかの列で、big intへの変換が行われていません。 大きなテーブルでカラムタイプを変更すると時間がかかることがあるため、自動的には変更されませんでした。 'occ db:convert-filecache-bigint'を実行することによって、それらの保留中の変更は手動で適用できます。 この操作は、インスタンスがオフラインの間に行う必要があります。 詳細についてはこれに関するドキュメントページを読んでください。
filecache_extended.fileid
mounts.storage_id
mounts.root_id
mounts.mount_id
インストールガイド ↗を再確認して、 ログ にあるすべてのエラーや警告を確認してください。

「このインスタンスには推奨されるPHPモジュールがいくつかありません。」

php

このインスタンスには推奨されるPHPモジュールがいくつかありません。 パフォーマンスの向上と互換性の向上のために、それらをインストールすることを強くお勧めします。
intl
bcmath
gmp

該当パッケージを導入してhttpdを再読込します.

$ sudo apt install php-intl php-bcmath php-gmp (1)
$ sudo service apache2 reload (2)
  1. 対応パッケージの導入
  2. apache httpd 再読込

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

データベースにいくつかのインデックスがありません。

db index

データベースにいくつかのインデックスがありません。 大きなテーブルにインデックスを追加すると、自動的に追加されないまでに時間がかかる可能性があるためです。 "occ db:add-missing-indices"を実行することによって、インスタンスが実行し続けている間にそれらの欠けているインデックスを手動で追加することができます。 インデックスが追加されると、それらのテーブルへのクエリは通常はるかに速くなります。
テーブル "oc_calendarobjects_props"のインデックス "calendarobject_calid_index"が見つかりません。
テーブル "oc_schedulingobjects"のインデックス "schedulobj_principuri_index"が見つかりません。
テーブル "oc_properties"のインデックス "properties_path_index"が見つかりません。

メッセージの通りoccコマンドでインデックスを作成します.メッセージそのままコピーすると:がマルチバイト文字になっているので注意しましょう.

$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/occ db:add-missing-indices
Check indices of the share table.
Check indices of the filecache table.
Check indices of the twofactor_providers table.
Check indices of the login_flow_v2 table.
Check indices of the whats_new table.
Check indices of the cards table.
Check indices of the cards_properties table.
Check indices of the calendarobjects_props table.
Adding calendarobject_calid_index index to the calendarobjects_props table, this can take some time...
calendarobjects_props table updated successfully.
Check indices of the schedulingobjects table.
Adding schedulobj_principuri_index index to the schedulingobjects table, this can take some time...
schedulingobjects table updated successfully.
Check indices of the oc_properties table.
Adding properties_path_index index to the oc_properties table, this can take some time...
oc_properties table updated successfully.

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「データベースにはオプションのカラムがいくつかありません。」

db collum

データベースにはオプションのカラムがいくつかありません。大きなテーブルにカラムを追加するには時間がかかるため、オプションのカラムは自動的に追加されませんでした。"occ db:add-missing-columns"を実行することで、不足しているカラムはインスタンスの実行中に手動で追加することができます。カラムが追加されると、応答性や使い勝手が改善される可能性があります。
テーブル "oc_comments" にオプションのカラム "reference_id" が存在しません。

メッセージの通りoccコマンドでカラムを追加します.メッセージそのままコピーすると:がマルチバイト文字になっているので注意しましょう.

$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/occ db:add-missing-columns
Check columns of the comments table.
Adding additional reference_id column to the comments table, this can take some time...
Comments table updated successfully.

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「データベース内のいくつかの列で、big intへの変換が行われていません。」

db big init

データベース内のいくつかの列で、big intへの変換が行われていません。 大きなテーブルでカラムタイプを変更すると時間がかかることがあるため、自動的には変更されませんでした。 'occ db:convert-filecache-bigint'を実行することによって、それらの保留中の変更は手動で適用できます。 この操作は、インスタンスがオフラインの間に行う必要があります。 詳細についてはこれに関するドキュメントページを読んでください。
filecache_extended.fileid
mounts.storage_id
mounts.root_id
mounts.mount_id

メッセージの通りoccコマンドでbig intへの変換をします.メッセージそのままコピーすると:がマルチバイト文字になっているので注意しましょう.
途中時間がかかる旨のメッセージが表示されます.y を指定することで処理を続行します.siteの規模や利用状況によって実行時間を考えましょう.

$ sudo -u www-data php $NEXTCLOUDPATH/occ db:convert-filecache-bigint
Following columns will be updated:

* filecache_extended.fileid
* mounts.storage_id
* mounts.root_id
* mounts.mount_id

This can take up to hours, depending on the number of files in your instance!
Continue with the conversion (y/n)? [n] y

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「PHPのメモリ制限が推奨値の512MB以下です。」

php memory

PHPのメモリ制限が推奨値の512MB以下です。

phpの memory_limit の値を /etc/php/7.4/apache2/php.ini を編集して修正します.その後httpdの再読込を行います.

$ sudo vim /etc/php/7.4/apache2/php.ini (1)
$ sudo git -C /etc diff /etc/php/7.4/apache2/php.ini (2)
diff --git a/php/7.4/apache2/php.ini b/php/7.4/apache2/php.ini
index ef89b713..407ee04d 100644
--- a/php/7.4/apache2/php.ini
+++ b/php/7.4/apache2/php.ini
@@ -406,7 +406,7 @@ max_input_time = 60

 ; Maximum amount of memory a script may consume (128MB)
 ; http://php.net/memory-limit
-memory_limit = 128M
+memory_limit = 512M

 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
 ; Error handling and logging ;
$ php --php-ini /etc/php/7.4/apache2/php.ini -i | grep memory_limit (3)
memory_limit => 512M => 512M
$ sudo service apache2 reload (4)
  1. vimで設定ファイルを修正
  2. 編集内容確認
  3. 設定確認
  4. apache httpd を再読込

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「”Strict-Transport-Security” HTTPヘッダが最低でも “15552000” 秒に設定されていません。」

hsts

"Strict-Transport-Security" HTTPヘッダが最低でも "15552000" 秒に設定されていません。セキュリティを強化するには、セキュリティTips ↗で解説しているHSTSを有効にすることを推奨します。
$ sudo vi /etc/apache2/sites-available/nextcloud.conf (1)
$ sudo git -C /etc diff /etc/apache2/sites-available/nextcloud.conf (2)
diff --git a/apache2/sites-available/nextcloud.conf b/apache2/sites-available/nextcloud.conf
index 2844232c..4a064d52 100644
--- a/apache2/sites-available/nextcloud.conf
+++ b/apache2/sites-available/nextcloud.conf
@@ -135,6 +135,10 @@
                #               nokeepalive ssl-unclean-shutdown \
                #               downgrade-1.0 force-response-1.0

+               <IfModule mod_headers.c>
+                       Header always set Strict-Transport-Security "max-age=15552000; includeSubDomains"
+               </IfModule>
+
        </VirtualHost>
 </IfModule>

$ sudo apache2ctl configtest (3)
Syntax OK
$ sudo service apache2 reload (4)
  1. apacheの該当のサイト設定修正
  2. 設定確認
  3. 文法チェック
  4. apache httpd再読込

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「Webサーバーは適切にホスト名が引けるように設定されていません。」

well known

Webサーバーは適切にホスト名 "/.well-known/caldav" が引けるように設定されていません。より詳しい情報については、ドキュメントを参照ください。
Webサーバーは適切にホスト名 "/.well-known/carddav" が引けるように設定されていません。より詳しい情報については、ドキュメントを参照ください。

専用のドメインではなくサブディレクトリ( nextcloud )で運用しているNextcloud なので,ドメインのドキュメントルートに以下のような .htaccess ファイルを用意します.caldav/carddavだけでなく一緒に他のものも設定しました.専用の(サブ)ドメインならこの問題は出ないと思います.

$ sudo -u www-data vi $HTTPROOTPATH/.htaccess (1)
$ cat $HTTPROOTPATH/.htaccess (2)
<IfModule mod_rewrite.c>
  RewriteEngine on
  RewriteRule ^\.well-known/host-meta /nextcloud/public.php?service=host-meta [QSA,L]
  RewriteRule ^\.well-known/host-meta\.json /nextcloud/public.php?service=host-meta-json [QSA,L]
  RewriteRule ^\.well-known/webfinger /nextcloud/public.php?service=webfinger [QSA,L]
  RewriteRule ^\.well-known/carddav /nextcloud/remote.php/dav/ [R=301,L]
  RewriteRule ^\.well-known/caldav /nextcloud/remote.php/dav/ [R=301,L]
</IfModule>
  1. NextcloudのhttpdのROOT直下の .htaccess ファイルを編集
  2. 編集内容を確認.

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「メモリキャッシュが設定されていません。」

memcache

メモリキャッシュが設定されていません。可能であれば、パフォーマンスを向上するため、memcacheを設定してください。より詳しい情報はドキュメントで参照できます。
A memcache is not required and you may safely ignore the warning if you prefer.

この設定は必須ではなさそうですが,RAMは余っているので設定します.

いくつか種類があるようですが,今回はAPCuを設定しました.

$ sudo apt install php-apcu (1)
$ sudo -u www-data vim $NEXTCLOUDPATH/config/config.php (2)
$ sudo git --git-dir=/var/git/nextcloud --work-tree=. diff config/config.php (3)
diff --git a/config/config.php b/config/config.php
index f62133e..62d137d 100644
--- a/config/config.php
+++ b/config/config.php
@@ -41,4 +41,5 @@ $CONFIG = array (
   array (
   ),
   'mail_sendmailmode' => 'smtp',
+  'memcache.local' => '\OC\Memcache\APCu',
 );
  1. APCuのパッケージを導入
  2. Nextcloudの設定ファイルを編集して設定を追加
  3. 設定確認

「セキュリティ&セットアップ警告」ページを再読込して警告が消えるのを確認します.

「すべてのチェックに合格しました。」

ok

:)

環境

今回のホストの環境はUbuntu 20.04 LTS amd64のapache httpd 2.4, mysql server 8, php 7.4です.

$ dpkg-query -W php7.4-common php7.4-apcu apache2 mysql-server
apache2 2.4.41-4ubuntu3.2
mysql-server    8.0.23-0ubuntu0.20.04.1
php7.4-apcu
php7.4-common   7.4.3-4ubuntu2.4
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu 20.04.2 LTS
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64

The Great SuspenderでサスペンドしていたURLをjsonで出力する

ということで削除されちゃったんですね.
自分は先月怪しいという話を聞いて削除していました.その時タブが消えてしまい悲しかったのですがこんな感じで復旧させました.
タイムスタンプとタイトル,URLをjsonで出力します.

$ sqlite3 ~/.config/google-chrome/Default/History "SELECT \"[\" || group_concat(json_object('timestamp', last_visit_time, title, url)) || \"]\" FROM urls WHERE url LIKE '%bkeccnjlkjkiokjodocebajanakg%';" | jq . | sed -e 's/chrome-extension:\/\/klbibkeccnjlkjkiokjodocebajanakg\/suspended.html.*&uri=//'

何をやっているかというと, ~/.config/google-chrome/Default/History がGoogle Chromeのsqlite3形式の履歴ファイルなので,この中からThe Great Suspenderのurlの含まれているurlを引っ張り出して整形しています.

Chromiumの場合は ~/.config/chromium/Default/History
Braveは ~/.config/BraveSoftware/Brave-Browser/Default/History でした.

Default以外のprofileは名前いろいろなのでfindとかで探すといいでしょう.

$ find ~/.config/chromium/ ~/.config/google-chrome/ ~/.config/BraveSoftware/Brave-Browser -name History

ここで紹介したのはLinuxでの場合ですが,パスを変えると他のOSでもいけるはずです.

環境1
$ dpkg-query -W jq sqlite3 chromium google-chrome-stable
chromium
google-chrome-stable    69.0.3497.100-1
jq      1.6-2.1ubuntu1
sqlite3 3.34.0-1
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu Hirsute Hippo (development branch)
Release:        21.04
$ uname -m
x86_64
環境2
$ dpkg-query -W jq sqlite3 chrome brave-browser google-chrome-stable
brave-browser   1.19.90
google-chrome-stable    88.0.4324.146-1
jq      1.6-2.1
sqlite3 3.34.1-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64

Gnome ShellでBitbar, SwiftBar代替のArgosを使う

PodcastのRebuild.fm 292回でBitBar, SwiftBar というツールバーに任意のコマンドの結果を表示できるツールを知って

Linuxで動作するBitBar/SwiftBar Alternativeが無いかなと探して,Argos, Kargos, Margosというものを見つけました.

そして先日Margosを試してみたけどウィンドウ表示できなかったりと機能が少なかったです.

ということで今回はGnome Shell環境を用意してBitBarと互換性があるというArgosを試してみました.

ArgosはGnome shellの拡張機能として提供されています.
以下のページから入手できます.ブラウザから導入もしくは手動でダウンロードして展開します.

手動ダウンロード時はGnome shellのバージョンを求められるのでバージョンがわからない場合は以下のようなコマンドで確認できます.

Gnome Shellバージョン確認
$ gnome-shell --version
GNOME Shell 3.38.3

手動での導入の場合拡張機能ダウンロード後以下のような感じで展開します.

$ mkdir -p ~/.local/share/gnome-shell/extensions
$ unzip ./argospew.worldwidemann.com.v3.shell-extension.zip \
-d ~/.local/share/gnome-shell/extensions/argos@pew.worldwidemann.com/

このあとGnome Shell を Alt+F2 r↲ と操作して再起動して反映します.

ステータスバーにArgosは現れましたが,クリックしてもウィンドウが開きません.Gnome Shellが新しい(3.36以降?)とArgosはうまく動かないようです.

Gitリポジトリのmasterと以下のPRのpatchを利用して動作しました.

一旦Argosを削除して導入し直します.

旧バージョンを削除
$ gnome-extensions disable argos@pew.worldwidemann.com (1)
$ gnome-extensions uninstall argos@pew.worldwidemann.com (2)
  1. 拡張機能無効化
  2. アンインストール

続いてGit版ArgosのmasterとPRのファイルを適用します.

$ git clone https://github.com/p-e-w/argos (1)
$ cd argos
$ cp -r ./argos@pew.worldwidemann.com \
~/.local/share/gnome-shell/extensions/ (2)
$ wget https://raw.githubusercontent.com/p-e-w/argos/c4663d9d3e29ef33b7e9123ef0c095811c91cf5b/argos%40pew.worldwidemann.com/menuitem.js \
-O ~/.local/share/gnome-shell/extensions/argos@pew.worldwidemann.com/menuitem.js (3)
  1. リポジトリclone
  2. 拡張機能コピー
  3. Gnome Shell 3.36+向けの修正を適用

Alt+F2 r↲ でGnome Shellを再起動して反映してGnome Shell 3.38.3でも動作するようになりました.

Argosのデフォルトプラグインを確認してみます.

ステータスバーにArgosが現れているはずです.文字列をクリックでウィンドウが表示されます.最下部の argos.sh をクリックすると規定値のテキストエディタで開かれてそのまま編集できて便利です.

argos argos

Argos Pluginは結構簡単に書けます.

~/.config/argos/実行可能プラグラムやスクリプトを置くと即実行されます.プログラムの出力結果1行目がバーに表示され,--- の後がウィンドウ内に表示されます.インターバルはファイル名で制御します.
例えば hoge.3s+.sh の場合は3秒毎に実行され, fuga.10m+.py は10分毎に実行されます.
その他色を付けたりアイコンを設定したり色々できるようです.詳しくはBitBar, Argosのドキュメントを参照してください.

試しに簡単なPluginを作ってみます.

まずは定番の天気表示をwegoコマンドで試します.
天気をバーに表示してクリックすると2日分の天気予報を表示されるようにしてみました.罫線は崩れちゃいました.

argos wego

~/.config/argos/wego.1h+.sh
#!/bin/bash

STR=`wego -d 2 -f emoji`
echo "`echo "${STR}" | head -4 | tail -1`"
echo "---"
echo "${STR}" | awk 1 ORS="\\\\n"
echo " | font=monospace"

次にCPUの温度とtopを表示するものを書いてみました.1分毎にCPUの温度をバーに表示して,クリックするとtopコマンドの上の方をを表示します.手元のPCはよくCPU温度が上がってサーマルスロットリングされてしまうのでこれは結構実用的です.

argos cputhermal

~/.config/argos/cputhermal.1m+.sh
#!/bin/bash

THERMAL=`acpi -t | awk '{print $4}'`
COLOR="white"

if [ `echo "${THERMAL} >= 80" | bc` == 1 ] ; then
        COLOR="red"
fi

#echo "<span color='${COLOR}' weight='normal'><tt>🌡${THERMAL}℃ </tt></span>"
echo "🌡${THERMAL}℃  | color=${COLOR}"
echo "---"
if [ "${ARGOS_MENU_OPEN}" == "true" ]; then
        TOP_OUTPUT=$(top -b -n 1 | head -n 20 | awk 1 ORS="\\\\n")
        echo "${TOP_OUTPUT} | font=monospace bash=top"
else
        echo "Loading..."
fi

本当は80度を超えていたらバーの文字列を赤くしたいのですがうまく行っていません.Argosのバグらしく,ワークアラウンドとして絵文字を表示すればOKというのを見かけましたがこれもうまく動いていません.(ちなみにエスケープシーケンスでの色変更は効くようです.)

次にArgosはBitBarと互換性があるということでBitBar Pluginを利用できるか試してみます.

ただし,PluginによりAPI keyや座標を記述したりと行った少しの修正は必要(これはBitBarでも),更にBitBarはmacOS用なのでシステム周りのPluginは動かなかったりPATHが違ったりするので修正しなうと動かなかったりします.

そのまま動きそうなものとしてHackserNewsを表示するプラグインを試してみました.リポジトリをcloneしてシンボリックリンクを貼ると動作しました :)

$ git clone https://github.com/matryer/bitbar-plugins
$ cd bitbar-plugins
$ ln -s `pwd`/Web/HackerNews/hacker_news.1m.rb ~/.config/argos/

argos hackernews

という感じでArgosはBitBarと互換性があるしShell Scriptなどをちょっと書くだけでステータスバーにいろいろな情報を表示来てとても便利です.Gnome Shell環境の方はぜひためしてみてください.

しかし,解像度が低いと表示領域が狭く一部しか表示されなくて視認性が悪くなるので大画面のモニタがほしいところです…….

ということでMargos, Argosを試して残りはKDE Plasma向けのKargosですが,WebのREADMEを見るとちょっと古そうなので試すのをためらっています.

A Plasma port of Argos and BitBar plugins to fast create custom plasmoids.

Note: This is an alpha project. By now, it only was tested on Kubuntu 16.04 LTS.

環境1
$ git -C ~/src/argos log | head -1
commit fcb475140bd9d0b4b95279ce56c4c28f36fb29d6
$ dpkg-query -W gnome-shell gnome-shell-extensions
gnome-shell     3.38.3-1
gnome-shell-extensions  3.38.2-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64
環境2
$ git -C ~/src/argos log | head -1
commit fcb475140bd9d0b4b95279ce56c4c28f36fb29d6
$ dpkg-query -W gnome-shell gnome-shell-extensions
gnome-shell     3.38.2-1ubuntu1
gnome-shell-extensions  3.38.2-1
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu Hirsute Hippo (development branch)
Release:        21.04
$ uname -m
x86_64

センサーのログをNextcloudのSensorloggerで記録してみる

この記事は 日本Androidの会秋葉原支部ロボット部 Advent Calendar 2020 の20日分の記事です.
日本Androidの会秋葉原支部ロボット部は現在月に一回勉強会を行い様々な話題で盛り上がっています.
次の勉強会はちょうど今日(20日)です.興味のある方は覗いてみてください.

センサーのログなどをアップロードするのに色々なwebサービスを使ったり,Googleスプレッドシートに書いたりしています.
便利なんだけどロックインになるのは嫌だなって思ったりします.

Nextcloudというファイル共有サービス+αなOSSがあります.アプリケーションを追加して機能を増やすことが出来ます.例えばテレビ電話や,オンラインオフィスとか,マップサービスとか様々なアプリがあります.
これを個人的に立てて便利に使っています

この中のアプリを眺めているとSensorloggerというセンサーのログを保存できそうなものを見つけたので試してみました.

まずNextcloudですが,とりあえず試すだけならsnapを利用するのがお手軽です.Raspberry Pi + Raspberry Pi OSなどでもOKです.

Debian sid amd64/Ubuntu 20.04 LTS/Raspberry Pi OS armhfでは以下の手順でOKでした.

$ sudo apt update && sudo apt upgrade   (1)
$ sudo apt install snapd    (2)
$ sudo snap install nextcloud   (3)
  1. システムのパッケージを最新にする
  2. snapを使えるように snapd パッケージを導入
  3. snapでnextcloudを導入

10分位待つと導入が終わります.ウェブブラウザにIPアドレスを入力するとセットアップ画面が表示されるので管理者ID/PASSWORDを設定します.

これでとりあえず使えるようになったと思います.

この後Sensorloggerを導入します.
管理者権限のアカウントでNextcloudの右上のメニューから「アプリ」を開きます.

20201219 20:12:45 2014278

次に上の検索バーに「Sensorlogger」とかの文字列で検索して「有効」ボタンを押して導入します.

20201219 20:12:42 2017785

Tip
Nextcloudのアプリケーションはコマンドラインから導入することも出来ます.
$ sudo -u www-data occ app:install sensorlogger #通常導入した場合
$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install sensorlogger #snapで導入した場合

ここからは一般ユーザでOKです.

Nextcloudの上部から「Sensorlogger」のアイコンをクリックするとSensorloggerの画面が表示されます.

20201219 20:12:03 2021911

はじめはデータがないのでまっさらです.「Device」辺りでデバイスの登録をするのかな?と思いましたが出来ません.
「Read SensorLogger Wiki Devices」と書かれているのでWikiを参照してみます.

データを送ると自動的にデバイスが出来るようです.Simple, Complexの2種類のデータタイプがあるようです.Simpleは温度,湿度のようでとりあえずこれを試してみます.

以下の辺りから post.php を持ってきて使います.このscriptはダミーのランダムな温度と湿度データを作ってSensourloggerにデータを投げます.

何箇所か書き換えます.
* $url = ` を自分のNextcloudのURLに変更します.
* `$array = array("deviceId" ⇒
uuidgen コマンドなどで生成したUUIDに変更します.
* $username = をNextcloudの自分のユーザーに変更します.
* $token = に「設定」「セキュリティ」ページの「デバイスとセッション」の一番下の「新しいアプリパスワードを作成」で作成したトークンに修正します.

そしてphpとphp-curlが必要なので導入します.

Debian sid amd64/Ubuntu 20.04 LTS/Raspberry Pi OS armhfでの例
$ sudo apt install php-cli php-curl

この状態で post.php を実行して成功すると以下のようなメッセージが帰ってきます.

$ php ./post.php
{"success":true,"message":"Sensor Log successfully stored","data":null}

Sensorloggerのページの List を見るとエータがアップロードされているのが解ります :)

手動で実行するのは大変なのでcrontabにこんな感じで登録してみます.5分に一回データを送信します.

$ crontab -e (1)
$ crontab -l | grep post.php (2)
*/5 * * * *     php ~/tmp/post.php 2&>1 > ~/tmp/post.php.log
  1. crontabの編集
  2. crontabに登録されたか確認

同様にRaspberry Piの温度も送ってみます.温度の $temperature を以下のような感じで書き換えて,UUIDも書き換えるとOK.これもcrontabに登録します.

    $temperature = system( '/opt/vc/bin/vcgencmd measure_temp | awk -F "[=\']" \'{print $2 }\' | tr -d \'\n\'' );

しばらく動かしてからダッシュボードを設定するとこんな感じのチャートが表示できました.

20201219 20:12:13 2035392

密集してよくわからない部分はマウスドラッグで矩形選択するとその部分がズームされます.

20201219 22:12:30 2180945

という感じでとりあえず動きました.ドキュメントが未だ充実していな買ったり使い勝手も悪いですが最低限の機能はあるかなという感じです.
興味があったら試してみてください.
若しくはおすすめのアプリやサービスを教えてください.

GNU Bashのbracketed pasteの設定

Debian sid amd64環境で最近Bashにテキストを貼り付けると貼り付けた文字列が反転して即時反映されないようになっていました.
何らかの操作をすると反転は解除されて反映されます.改行の含まれた文字列を貼り付けて誤って実行されるというようなことが抑制できていい感じです.でも貼り付けただけで実行されたつもりになってしまうこともあったり.

便利だけどこれなんだろうと確認してみました.

Changelogを見てみます.
/usr/share/doc/bash/changelog.Debian.gz は殆どUpstreamへの追従.
/usr/share/doc/bash/changelog.gz を見るとそれらしいものが載っていました.

bash-4.4-alpha, bash-4.3-release.から Bracketed paste mode が入ったようです.
そしてbash-5.1-alpha, bash-5.0-releaseから既定値になたようです.(そして気づいた)

bash-4.4-alpha, bash-4.3-release.

b. There is a new bindable variable, `enable-bracketed-paste’, which enables
support for a terminal’s bracketed paste mode.

bash-5.1-alpha, bash-5.0-release.

h. Bracketed paste mode is enabled by default.

infoを見ると enable-bracketed-paste という項目で設定できるようです.

info bash
enable-bracketed-paste (On)
       When set to On, readline will configure the terminal in a way that will enable it to insert each paste into the editing buffer as a single string of characters, instead of treating
       each character as if it had been read from the keyboard.  This can prevent pasted characters from being interpreted as editing commands.
info bash
Readline Variables
    Readline has variables that can be used to further customize its behavior.  A variable may be set in the inputrc file with a statement of the form
       set variable-name value
or using the bind builtin command (see SHELL BUILTIN COMMANDS below).

実際に叩いてみます.こんな感じでoff/onできました.

$ bind 'set enable-bracketed-paste off'
$ bind 'set enable-bracketed-paste on'

~/.bashrc 辺りに書いておくと次回のbash起動時に反映されます.

その他
  • byobu-screenでは enable-bracketed-paste on しても利用できない?
  • tmuxでのCtrl+b Ctrl + ] での貼付け時には無視される?
  • Ubuntu 20.10 amd64の5.0-6ubuntu2では既定値で無効になっているけど enable-bracketed-paste on で有効に出来る
環境
$ dpkg-query -W bash
bash    5.1~rc2-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64

Raspberry Pi OS/Debian/Ubuntuでの既定のPython切り替え

最近使うPythonアプリはPython3が多くなっています.Python2のEoLが迫っているので正しいのですが,手元の環境では python コマンドは python2 に向いています.python3 コマンドを叩けばいいのですが,これを python3 に向けられないかなと試してみました.

Raspberry Pi OS arm64(busterベース)でのPython確認してみます.python コマンドは python2.7 を呼ぶようになっています.

$ python --version
Python 2.7.16
$ ls -l `which python`
lrwxrwxrwx 1 root root 7  3月  5  2019 /usr/bin/python -> python2
$ ls -l `which python2`
lrwxrwxrwx 1 root root 9  3月  5  2019 /usr/bin/python2 -> python2.7
$ ls -l `which python3`
lrwxrwxrwx 1 root root 9  3月 26  2019 /usr/bin/python3 -> python3.7

update-alternatives で管理されてるのかな?と思いましたが設定がなさそうです.

$ update-alternatives --get-selections|grep -i ^python

update-alternatives を手動で設定してみます.
これで python コマンドが python3.7 を呼ぶようになりました.

$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/python python /usr/bin/python2.7 1
update-alternatives: /usr/bin/python (python) を提供するために自動モードで /usr/bin/python2.7 を使います
$ sudo update-alternatives --install /usr/bin/python python /usr/bin/python3.7 2
update-alternatives: /usr/bin/python (python) を提供するために自動モードで /usr/bin/python3.7 を使います
$ ls -l `which python`
lrwxrwxrwx 1 root root 24  7月 28 08:47 /usr/bin/python -> /etc/alternatives/python
$ python --version
Python 3.7.3
$ update-alternatives --query python
Name: python
Link: /usr/bin/python
Status: auto
Best: /usr/bin/python3.7
Value: /usr/bin/python3.7

Alternative: /usr/bin/python2.7
Priority: 1

Alternative: /usr/bin/python3.7
Priority: 2

切り替えたいときはこんな感じで選択肢なおせばok.

$ sudo update-alternatives --config python
alternative python (/usr/bin/python を提供) には 2 個の選択肢があります。

  選択肢    パス              優先度  状態
------------------------------------------------------------
* 0            /usr/bin/python3.7   2         自動モード
  1            /usr/bin/python2.7   1         手動モード
  2            /usr/bin/python3.7   2         手動モード

現在の選択 [*] を保持するには <Enter>、さもなければ選択肢の番号のキーを押してください:

Debian asid amd64, Ubuntu 20.04 LTS amd64 でも設定してみました.

Debian sid amd64
$ update-alternatives --query python
Name: python
Link: /usr/bin/python
Status: auto
Best: /usr/bin/python3.8
Value: /usr/bin/python3.8

Alternative: /usr/bin/python2.7
Priority: 1

Alternative: /usr/bin/python3.7
Priority: 2

Alternative: /usr/bin/python3.8
Priority: 3
Ubuntu 20,04 LTS amd64
$ update-alternatives --query python
Name: python
Link: /usr/bin/python
Status: auto
Best: /usr/bin/python3.8
Value: /usr/bin/python3.8

Alternative: /usr/bin/python2.7
Priority: 1

Alternative: /usr/bin/python3.5
Priority: 2

Alternative: /usr/bin/python3.8
Priority: 3

てことで python コマンドが python3 になりました.しかしシステムワイドな設定なのでシステムのプログラムなどで問題が出るかもしれないですね.
問題が起こったらpython2に戻しましょう.

Rasoberry Pi OS amd64
$ dpkg-query -W python python3
python  2.7.16-1
python3 3.7.3-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux 10 (buster)
Release:        10
$ uname -m
aarch64
$ cat /proc/device-tree/model&&echo
Raspberry Pi 3 Model B Rev 1.2
Debian sid amd64
$ dpkg-query -W python python3 python3.7
python  2.7.17-2
python3 3.8.2-3
python3.7       3.7.7-1+b1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64
Ubuntu 20.04 LTS amd64
$ dpkg-query -W python python3 python3.7
python  2.7.17-1
python3 3.8.2-0ubuntu2
python3.7
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu 20.04.1 LTS
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64

Sipeed Lichee Nanoでhello world

2020-07-23低レベル勉強会に参加しました.Zoom.usでの開催でした.

内容はLinux名刺的なものを開発しようという内容で,リファレンスとしてSDカードサイズの小さなLinuxの動作するarmコンピュータのSipeed Lichee Nanoを使いました.

欲しい場合は1000円ちょいくらいからで入手できそうです.

Lichee Nanoを持っていない人はリモートで触れるようにしてあったので持っていない私も楽しめました.

このリモート開発の仕組みはLichee NanoとRaspberry PiをUSB経由のUARTで接続し,Raspberry PiでGNU screenを起動,ssh経由でGNU screenに繋いで操作という感じです.
GNU screenをGotty等にするとウェブブラウザで参加できてちょっと便利かもと思ったりも.(GoTTYは開発止まってるように見えるから別のもののほうがいいかもしれない)

Lichee Nanoで何かを動かしたい.armだけどarmhf動くのかな?とりあえずなにか転送して動かしてみようと.

とりあえずDebianのarmhfバイナリをuuencodeしてコピペで転送してみます.これが動けばDebianのパッケージ群が利用できるかもだけど…….

まずは簡単そうなfortuneを試します.

Debian sidでfortune-modパッケージのarmhfバイナリパッケージをダウンロードして展開(add archtecture armhfしてある環境)
$ apt download -t armhf fortune-mod
$ unar fortune-mod_1.99.1-7+b1_armhf.deb
$ cd fortune-mod_1.99.1-7+b1_armhf
$ tar xf data.tar.xz
$ cd usr/games

Lichee Nanoはserialで接続されていて,Internetには繋がっていないのでバイナリファイルの転送にはuudecode/uuencodeを使いました.久々です.
手元のGNU sharutils 4.15.2のuudecodeにはbase64を使う -m, --base64 があるので良さそう.と思ったけどLichee Nanoの方はbusyboxのもので非対応でした.

ローカル端末で圧縮してuuencodeしてクリップボードへ
$ gzip -c fortune | uuencode fortune.gz > fortune.gz.uu
$ cat fortune.gz.uu | xclip
リモートで伸張して解凍
# cat | uudecode    #ここでクリップボードから貼り付け
# zcat fortune.gz > fortune
# rm fortune.gz

そして…​…​

# ./fortune
-sh: ./fortune: not found
# ldd ./fortune
checking sub-depends for 'not found'
checking sub-depends for '/lib/libc.so.6'
/lib/ld-linux.so.3 (0xb6fa0000)
librecode.so.0 => not found (0x00000000)
libc.so.6 => /lib/libc.so.6 (0x00000000)
/lib/ld-linux.so.3 => /lib/ld-linux.so.3 (0x00000000)

これを動かすのはダイナミックリンクされているものを用意してあげないといけないのでストレージの容量的に難しいですね.

ここではgzipで圧縮しましたが,Lichee Nanoのbusyboxにxzがありました.gzipよりxzにしたほうが小さくなりますね.試してみるとこんな感じでした.$ xz -c fortune | uuencode fortune.xz > fortune.xz.uu

サイズ比較
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 22368 Jul 23 15:11 fortune #元ファイル
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 30844 Jul 23 14:58 fortune.uu #uudecode
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 14975 Jul 23 15:08 fortune.gz.uu #zip + uudecode
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 13047 Jul 23 15:47 fortune.xz.uu #xz + uudecode

そういえばあまり有名ではないですがbasE91なんてものもあります.base64よりサイズが小さくなりますが導入からやらないといけないのでちょっと面倒.

Hello worldを試してみます.適当にプログラムを用意してスタティックリンクでコンパイルしてみます.

$ cat hello.c
#include <stdio.h>
int
main(void)
{
    printf("Hello, world!\n");
    return 0;
}
$ gcc -static ./hello.c
$ ./a.out
Hello, world!
$ ls -l a.out
-rwxr-xr-x 1 pi pi 571120 7月 23 16:18 a.out

でかい…​…​

とりあえずでかいのはおいといてこれだとarm64なので動くはずがない.ということでクロスコンパイル環境を用意します.

今回試したホストはDebian sid amd64/Ubuntu 20.04 LTS arm64/Raspberry Pi OS arm64です.いずれも同じ手順でOKでした.

crossbuild-essential-<arch> パッケージで各種アーキテクチャの環境が導入できるようです.

$ apt-cache search crossbuild-essential-
crossbuild-essential-amd64 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-arm64 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-armel - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-armhf - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-i386 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-powerpc - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-ppc64el - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-s390x - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mips - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mips64 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mips64el - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mips64r6 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mips64r6el - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mipsel - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mipsr6 - Informational list of cross-build-essential packages
crossbuild-essential-mipsr6el - Informational list of cross-build-essential packages

沢山あります.今回はarmlf/armhfの crossbuild-essential-armel, crossbuild-essential-armhf を導入しました.

$ sudo apt install crossbuild-essential-armel crossbuild-essential-armhf

gccだけでいい場合はarmlfは gcc-arm-linux-gnueabi,armhfは gcc-arm-linux-gnueabihf だけでOKです.

まずは arm-linux-gnueabihf-gcc を使ってarmhfのバイナリを作ります.

$ /usr/bin/arm-linux-gnueabihf-gcc -static ./hello.c
$ strip a.out
$ xz -c a.out | uuencode a.out.xz > a.out.xz.uu

armhfは駄目そうです.

# cat | uudecode
^d
# xzcat ./a.out.xz > ./a.out
# chmod +x ./a.out
# ./a.out
Segmentation fault

次は gcc-arm-linux-gnueabi でarmlfのバイナリを作って試すと動きました.

$ /usr/bin/arm-linux-gnueabi-gcc -static ./hello.c
$ strip a.out
$ xz -c a.out | uuencode a.out.xz > a.out.xz.uu
# cat | uudecode
^d
# xzcat ./a.out.xz > ./a.out
# chmod +x ./a.out
# ./a.out
Hello, world!
# /usr/bin/time -f "%M KB" ./a.out
Hello, world!
2144 KB

この辺りで今回は時間切れ.次回の同じような感じになりそうです.興味のある方は以下のページから.

とりあえずarmelのバイナリが動くようなのがわかったので面白そうな小さなプログラムを試そうかなと思っています.cowsayとか好きなんだけどこれはPerlなので容量的に難しそう.とりあえずfortuneあたりかな?

以前PQI Air PenでやったようにSD cardを用意してそこにDebian armlf環境を展開してchrootとかもできそうです.

rsync 3.2.0の新機能を少し試す

ファイル同期にとても便利なrsyncの3.2.0がリリースされました.

バグフィクスや,いくつかの新機能が入ったようなので少し試してみました.

※1. この記事投稿時には 3.2.2 が出ています.
※2. 鹿児島Linux勉強会 2020.06で発表したものと同じ内容です.

導入例

Debian sid amd64 & Ubuntu 20.04 LTS amd64

$ sudo apt build-dep rsync
$ sudo apt install libxxhash-dev libzstd-dev liblz4-dev
$ wget -c \
https://download.samba.org/pub/rsync/rsync-3.2.0.tar.gz \
https://download.samba.org/pub/rsync/rsync-3.2.0.tar.gz.asc \
https://opencoder.net/WayneDavison.key
$ gpg2 --import ./WayneDavison.key
$ gpg2 --verify ./rsync-3.2.0.tar.gz.asc
$ tar tvzf ./rsync-3.2.0.tar.gz
$ tar xzf ./rsync-3.2.0.tar.gz
$ cd rsync-3.2.0
$ ./configure --help
$ ./configure
$ make
$ ./rsync --version
rsync  version 3.2.0  protocol version 31
Copyright (C) 1996-2020 by Andrew Tridgell, Wayne Davison, and others.
Web site: http://rsync.samba.org/
Capabilities:
    64-bit files, 64-bit inums, 64-bit timestamps, 64-bit long ints,
    socketpairs, hardlinks, symlinks, IPv6, batchfiles, inplace, append,
    ACLs, xattrs, iconv, symtimes, prealloc, SIMD
Checksum list:
    xxh64 (xxhash) md5 md4 none
Compress list:
    zstd lz4 zlibx zlib none

rsync comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY.  This is free software, and you
are welcome to redistribute it under certain conditions.  See the GNU
General Public Licence for details.
Note
gpg鍵は次から入手できます.rsync download

Raspberri Pi OS amd64

Raspberry Pi OS arm64の場合 libzstd-dev のバージョンが 1.3.8+dfsg-3 と少し古くbuildに失敗します. ./configure --disable-zstd としてzstdを無効にするか,sourceから zstd 1.4.5 を導入することでbuild出来ました.

$ make
  :
token.c: In function ‘init_compression_level’:
token.c:73:40: warning: implicit declaration of function ‘ZSTD_minCLevel’; did you mean ‘ZSTD_maxCLevel’? [-Wimplicit-function-declaration]
   min_level = skip_compression_level = ZSTD_minCLevel();
                                        ^~~~~~~~~~~~~~
                                        ZSTD_maxCLevel
token.c: In function ‘send_zstd_token’:
token.c:685:2: error: unknown type name ‘ZSTD_EndDirective’; did you mean ‘ZSTD_DDict’?
  ZSTD_EndDirective flush = ZSTD_e_continue;
  ^~~~~~~~~~~~~~~~~
  ZSTD_DDict
token.c:685:28: error: ‘ZSTD_e_continue’ undeclared (first use in this function)
  ZSTD_EndDirective flush = ZSTD_e_continue;
                            ^~~~~~~~~~~~~~~
token.c:685:28: note: each undeclared identifier is reported only once for each function it appears in
token.c:701:3: warning: implicit declaration of function ‘ZSTD_CCtx_setParameter’ [-Wimplicit-function-declaration]
   ZSTD_CCtx_setParameter(zstd_cctx, ZSTD_c_compressionLevel, do_compression_level);
   ^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
token.c:701:37: error: ‘ZSTD_c_compressionLevel’ undeclared (first use in this function); did you mean ‘skip_compression_level’?
   ZSTD_CCtx_setParameter(zstd_cctx, ZSTD_c_compressionLevel, do_compression_level);
                                     ^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                                     skip_compression_level
token.c:751:13: error: ‘ZSTD_e_flush’ undeclared (first use in this function); did you mean ‘ZSTD_DCtx_s’?
     flush = ZSTD_e_flush;
             ^~~~~~~~~~~~
             ZSTD_DCtx_s
token.c:753:8: warning: implicit declaration of function ‘ZSTD_compressStream2’; did you mean ‘ZSTD_compressStream’? [-Wimplicit-function-declaration]
    r = ZSTD_compressStream2(zstd_cctx, &zstd_out_buff, &zstd_in_buff, flush);
        ^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        ZSTD_compressStream
$ cd ..
$ sudo apt remove libzstd-dev
$ wget https://github.com/facebook/zstd/releases/download/v1.4.5/zstd-1.4.5.tar.gz \
https://github.com/facebook/zstd/releases/download/v1.4.5/zstd-1.4.5.tar.gz.sha256
$ sha256sum -c ./zstd-1.4.5.tar.gz.sha256
$ tar tvf ./zstd-1.4.5.tar.gz | lv
$ tar xf ./zstd-1.4.5.tar.gz
$ cd zstd-1.4.5
$ make
$ sudo make install
$ cd ../rsync-3.2.0
$ ./configure && make

Debian sid amd64

Debian sid amd64 環境にはすでに降ってきているのでパッケージから導入するだけでOKです.

$ sudo apt install rsync
$ rsync --version
rsync  version 3.2.0  protocol version 31
Copyright (C) 1996-2020 by Andrew Tridgell, Wayne Davison, and others.
Web site: http://rsync.samba.org/
Capabilities:
    64-bit files, 64-bit inums, 64-bit timestamps, 64-bit long ints,
    socketpairs, hardlinks, symlinks, IPv6, batchfiles, inplace, append,
    ACLs, xattrs, iconv, symtimes, prealloc, SIMD
Checksum list:
    xxh64 (xxhash) md5 md4 none
Compress list:
    zstd lz4 zlibx zlib none

rsync comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY.  This is free software, and you
are welcome to redistribute it under certain conditions.  See the GNU
General Public Licence for details.
$ dpkg-query -W rsync
rsync   3.2.0-1

ってことで試せるようになりました.NEWSを見てみます.

BUG FIX

Avoid a hang when an overabundance of messages clogs up all the I/O buffers.

このバグ修正がちょっと気になります.fat32の制限に引っかかったときに帰ってこない問題もこれで解決してるかも?未確認.

ENHANCEMENTS

–checksum-choice=STR, –cc=STR

チェックサム形式を選べるようになったようです.現在選択できるのは xxh64/md5/md4 の3種類 or none or auto(既定値)

man(1)より
              o      auto (the default)
              o      xxh64 (aka xxhash)
              o      md5
              o      md4
              o      none

--version にも出力されます.

$ rsync --version | grep Checksum -A1
Checksum list:
    xxh64 (xxhash) md5 md4 none

configure option に --disable-xxhash がありました.

  --disable-xxhash        disable xxhash checksums

環境変数 RSYNC_CHECKSUM_LIST でも指定できます.オプション --checksum-choice がある場合はオプションのほうが優先なようです.

ちなみに --checksum-choice オプションに対応していない 3.1.3 に対して xxh64 を向けて叩いてみると以下のようなエラーになりました.(md4, md5 はok)

$ rsync --checksum-choice=xxh64 -avc ./* user@remote:/tmp/
unknown checksum name: xxh64
rsync error: requested action not supported (code 4) at checksum.c(73) [server=3.1.3]
rsync: connection unexpectedly closed (0 bytes received so far) [sender]
rsync error: error in rsync protocol data stream (code 12) at io.c(235) [sender=3.2.0]

時間がどのくらい変わるかちょうど転がっていたkernel source(小さいファイルが沢山)で試してみました.はじめ普通に同期した後,キャッシュクリアして md4, md5, xxh64 で試してみました.思ったより差が出ない感じ?

md4
$ find ./linux-5.6 | wc -l
82114
$ du -ms ./linux-5.6
1310    ./linux-5.6
$ rsync --checksum-choice=auto -ac ./linux-5.6 /tmp/
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=md4 -ac ./linux-5.6 /tmp/
3

real    0m52.393s
user    0m5.051s
sys     0m12.246s
md5
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=md5 -ac ./linux-5.6 /tmp/
3

real    0m57.716s
user    0m6.976s
sys     0m13.486s
xxh64
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=xxh64 -ac ./linux-5.6 /tmp/
3

real    1m5.520s
user    0m2.507s
sys     0m13.625s

大きめのファイルでも試してみました.4GB程のisoファイル1つです.md4, md5 はあまり代わりませんが,xxh64 はかなり高速ですね.

md4
$ ls -s ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso*
3909164 ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso  3909164 ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso2
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=md4 -ac ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso ./Parrot-security-4.9.1_x
64.iso2
3

real    0m23.276s
user    0m10.601s
sys     0m4.387s
md5
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=md5 -ac ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso2
3

real    0m28.150s
user    0m16.945s
sys     0m4.399s
xxh64
$ sync ; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches ; time rsync --checksum-choice=xxh64 -ac ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso ./Parrot-security-4.9.1_x64.iso2
3

real    0m12.767s
user    0m1.375s
sys     0m4.060s

この辺の速度は環境により大分変わると思うので参考程度に.

–compress-choice=STR, –zc=STR

--compress オプション利用時の圧縮形式を指定できるようです.

圧縮形式はrsync 3.2.0 同士では zlibx 形式が zlib 形式よりも優先されるようです.
選択できるオプションは zstd, lz4, zlibx, zlib, none のようです.

man(1)より
              o      zstd
              o      lz4
              o      zlibx
              o      zlib
              o      none

rsync --version でも確認できます.

$ rsync --version | grep Compress -A1
Compress list:
    zstd lz4 zlibx zlib none

configure oprion に --disable-zstd, --disable-lz4 があります.

  --disable-zstd          disable zstd compression
  --disable-lz4           disable LZ4 compression

環境変数 RSYNC_COMPRESS_LIST でも指定できるようです.

未対応の 3.1.3 に対して指定すると unknown option と言われます.

$ time rsync --compress-choice=zstd --compress -a ./hoge mk@x201i.local:/tmp/
rsync: on remote machine: --compress-choice=zstd: unknown option
rsync error: syntax or usage error (code 1) at main.c(1596) [server=3.1.3]
rsync: connection unexpectedly closed (0 bytes received so far) [sender]
rsync error: error in rsync protocol data stream (code 12) at io.c(235) [sender=3.2.0]

こちらも簡単にベンチを.でもWi-Fi環境だし参考程度に.

zstd
$ ssh user@remote rm -rf ~/tmp/linux-5.6; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches; time rsync --compress-choice=zstd --compress -a --rsync-path=~/src/rsync-3.2.0/rsync ~/src/linux-5.6 user@remote:~/tmp/
3

real    4m38.921s
user    0m24.463s
sys     0m7.182s
lz4
$ ssh user@remote rm -rf ~user/tmp/linux-5.6; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches; time rsync --compress-choice=lz4 --compress -a --rsync-path=~/src/rsync-3.2.0/rsync ~/src/linux-5.6 user@remote:~/tmp/
3

real    9m28.829s
user    0m4.878s
sys     0m6.177s
zlibx
$ ssh user@remote rm -rf ~user/tmp/linux-5.6; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches; time rsync --compress-choice=zlibx --compress -a --rsync-path=~/src/rsync-3.2.0/rsync ~/src/linux-5.6 user@remote:~/tmp/
3

real    5m21.702s
user    0m46.740s
sys     0m6.541s
zlib
$ ssh user@remote rm -rf ~user/tmp/linux-5.6; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches; time rsync --compress-choice=zlib --compress -a --rsync-path=~/src/rsync-3.2.0/rsync ~/src/linux-5.6 user@remote:~/tmp/
3

real    5m28.722s
user    0m45.861s
sys     0m6.381s
none
$ ssh user@remote rm -rf ~user/tmp/linux-5.6; echo 3 | sudo tee /proc/sys/vm/drop_caches; time rsync --compress-choice=none -a --rsync-path=~/src/rsync-3.2.0/rsync ~/src/linux-5.6 user@remote:~/tmp/
3

real    22m56.712s
user    0m1.848s
sys     0m7.323s

–debug=NSTR

チェックサムと圧縮の詳細を表示するオプションのようです.どのアルゴリズムを利用しているのかが確認できます.

–debug=NSTR を付けたときのの実行結果例
Client negotiated checksum: xxh64
Client compress: zstd (level 3)

–debug=OPTS, -M—​debug=OPTS

--debug=OPTS を使うとリモートのrsyncにデバッグオプションを送らなくなるようです.これによりクライアント側とサーバ側で異なるデバッグレベルを指定できるようになったそうです.
リモート側にオプションを送る場合には -M—​debug=OPTS

SIGINFO & SIGVTALRM

rsyncプロセスに SIGINFO & SIGVTALRM シグナルを送信することでステータスを表示できるようになったようです.Linuxは SIGINFO に対応していないので, SIGVTALRM を試しました.

rsyncを実行している状態で SIGVTALRM を送信
$ pkill -SIGVTALRM rsync
rsyncがステータスを表示
linux-5.6/arch/sparc/lib/lshrdi3.S
    114,384,392  81%  931.12kB/s    0:01:59 (xfr#21058, ir-chk=1030/23451)

–copy-as=USER[:GROUP]

指定ユーザ/グループ権限でファイルをコピーするようです.

コピー元に3ユーザのファイル
$ ls -Al /tmp/rsync-test/
total 0
-rw-r--r-- 1 matoken  matoken  0 Jun 25 18:50 matokenfile
-rw-r--r-- 1 root     root     0 Jun 25 18:51 root
-rw-r--r-- 1 www-data www-data 0 Jun 25 18:51 www-data
普通にコピーするとユーザが引き継がれる
$ sudo ./rsync -a /tmp/rsync-test/ /tmp/rsync-test2
$ ls -lA /tmp/rsync-test2
total 0
-rw-r--r-- 1 matoken  matoken  0 Jun 25 18:50 matokenfile
-rw-r--r-- 1 root     root     0 Jun 25 18:51 root
-rw-r--r-- 1 www-data www-data 0 Jun 25 18:51 www-data
--copy-as=matoken を指定するとすべてmatokenになる
$ sudo \rm -rf /tmp/rsync-test2
$ sudo ./rsync --copy-as=matoken -a /tmp/rsync-test/ /tmp/rsync-test2
$ ls -lA /tmp/rsync-test2
total 0
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 0 Jun 25 18:50 matokenfile
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 0 Jun 25 18:51 root
-rw-r--r-- 1 matoken matoken 0 Jun 25 18:51 www-data

-V

--version の短いオプションとして -V が入りました.

$ ./rsync --help|grep -- -V
--version, -V            print the version + other info and exit
$ ./rsync --help|grep \-V
grep (GNU grep) 3.4
Copyright (C) 2020 Free Software Foundation, Inc.
License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later <https://gnu.org/licenses/gpl.html>.
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.

Written by Mike Haertel and others; see
<https://git.sv.gnu.org/cgit/grep.git/tree/AUTHORS>.

–ipv4, -4 / –ipv6, -6

ipv4, ipv6 を指定したいときに rsh='ssh -4' とするより便利な --ipv4, -4, --ipv6, -6 オプションが入りました.

ipv4しかない環境で -6 を指定して失敗する
$ rsync -avc6 ./ user@remote:/tmp/
ssh: Could not resolve hostname remote: Name or service not known
rsync: connection unexpectedly closed (0 bytes received so far) [sender]
rsync error: unexplained error (code 255) at io.c(235) [sender=3.2.1]

snapでNextcloudを導入して手軽にGoogleDocぽく使う(snap版Nextcloud + OnlyOffice)

Nextcloud導入が面倒?snapを使うとこれだけでGoogleDocみたいなことができます(Debian sid amd64/Ubuntu 20.04 LTSで確認済み).

$ sudo apt update && sudo apt upgrade
$ sudo apt install snapd
$ sudo snap install nextcloud
$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install documentserver_community
$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install onlyoffice

snap nextcloud 20200610 00:06:05 415116

簡単に説明していきます.

OSの状態を最新にしておきます.
$ sudo apt update && sudo apt upgrade
snapを使うためにsnapdを導入します(最近のUbuntuだと標準で入ってると思います).
$ sudo apt install snapd
snapでNextcloudを検索してみます.
$ snap find nextcloud
Name                       Version                    Publisher         Notes  Summary
nextcloud                  18.0.4snap3                nextcloud✓        -      Nextcloud Server - A safe home for all your data
spreedme                   0.29.5snap1                nextcloud✓        -      Spreed.ME audio/video calls and conferences feature for the Nextcloud Snap
onlyoffice-desktopeditors  5.5.1                      onlyoffice✓       -      A comprehensive office suite for editing documents, spreadsheets and presentations
qownnotes                  20.6.2                     pbek              -      Plain-text file markdown note taking with Nextcloud / ownCloud integration
nextcloud-port8080         1.01                       arcticslyfox      -      Nextcloud Server
nextcloud-snap-abacao      11.0.3snap4                abacao            -      Nextcloud Server
nextcloud-nextant          11.0.0snap3                rmescandon        -      Nextcloud Server + search support
nextcloud-abacao           11.0.3snap4                abacao            -      Nextcloud Server
cashbox-nextcloud          11.0.2snap2                cashbox           -      Nextcloud Server for www.cashBOX.plus
nextcloudsnap              12.0.4snap1                oscarbrolin       -      Nextcloud Server - A safe home for all your data
ghostcloud                 0.9.5                      beidl             -      A modern cross-platform client for Nextcloud, ownCloud, WebDav.
htxucloud                  12.0.3snap7                htxu              -      Nextcloud Server
carnet                     0.22.1                     alexandre-roux-m  -      Powerful note taking app with sync, online editor and android app
opentodolist               3.23.0                     mhoeher           -      Todo list and note taking application
solr                       0.1                        rmescandon        -      Starts up solr as forking daemon
mdns-hostname              0.0.1                      welike            -      mDNS mini-daemon to published hostname.local
nextcloud-stondino         15.0.10snap3+git1.ff25cb9  zmusselman        -      Nextcloud Server - A safe home for all your data
vmcloud-nextcloud          1.0.0                      victoriususm      -      Nextcloud 16.0.3 Optimized-Boosted
feedreader                 0+git.9ac478f7             ken-vandine       -      RSS client for various webservices
test003-nc                 13.0.4.snap1               reinism           -      Nextcloud Server - A safe home for all your data
$ snap info nextcloud
name:      nextcloud
summary:   Nextcloud Server - A safe home for all your data
publisher: Nextcloud*
store-url: https://snapcraft.io/nextcloud
contact:   https://github.com/nextcloud/nextcloud-snap
license:   unset
description: |
  Where are your photos and documents? With Nextcloud you pick a server of
  your choice, at home, in a data center or at a provider. And that is where
  your files will be. Nextcloud runs on that server, protecting your data and
  giving you access from your desktop or mobile devices. Through Nextcloud
  you also access, sync and share your existing data on that FTP drive at
  school, a Dropbox or a NAS you have at home.
commands:
  - nextcloud.disable-https
  - nextcloud.enable-https
  - nextcloud.export
  - nextcloud.import
  - nextcloud.manual-install
  - nextcloud.mysql-client
  - nextcloud.mysqldump
  - nextcloud.occ
services:
  nextcloud.apache:          simple, enabled, active
  nextcloud.mdns-publisher:  simple, enabled, active
  nextcloud.mysql:           simple, enabled, active
  nextcloud.nextcloud-cron:  simple, enabled, active
  nextcloud.nextcloud-fixer: simple, enabled, inactive
  nextcloud.php-fpm:         simple, enabled, active
  nextcloud.redis-server:    simple, enabled, active
  nextcloud.renew-certs:     simple, enabled, active
snap-id:      njObIbGQEaVx1H4nyWxchk1i8opy4h54
tracking:     latest/stable
refresh-date: yesterday at 21:53 JST
channels:
  latest/stable:    18.0.4snap4               2020-06-08 (21413) 264MB -
  latest/candidate: ^
  latest/beta:      18.0.4snap4+git5.31f0acd  2020-06-09 (21469) 264MB -
  latest/edge:      master-2020-06-10         2020-06-10 (21487) 267MB -
  18/stable:        18.0.4snap4               2020-06-08 (21413) 264MB -
  18/candidate:     ^
  18/beta:          ^
  18/edge:          18-2020-06-10             2020-06-10 (21482) 265MB -
  17/stable:        17.0.6snap1               2020-05-03 (20616) 229MB -
  17/candidate:     ^
  17/beta:          17.0.6snap1+git10.8f765f8 2020-06-09 (21474) 249MB -
  17/edge:          17-2020-06-10             2020-06-10 (21483) 250MB -
  16/stable:        16.0.11snap1              2020-06-08 (21459) 225MB -
  16/candidate:     ^
  16/beta:          ^
  16/edge:          ^
  15/stable:        15.0.14snap1              2020-01-20 (18374) 216MB -
  15/candidate:     ^
  15/beta:          ^
  15/edge:          ^
  14/stable:        14.0.10snap1              2019-05-04 (13208) 202MB -
  14/candidate:     ^
  14/beta:          ^
  14/edge:          ^
  13/stable:        13.0.12snap1              2019-05-03 (13155) 193MB -
  13/candidate:     ^
  13/beta:          ^
  13/edge:          ^
  12/stable:        12.0.13snap1              2019-01-07 (10632) 206MB -
  12/candidate:     ^
  12/beta:          ^
  12/edge:          ^
  11/stable:        11.0.8snap1               2018-05-10  (6942) 202MB -
  11/candidate:     ^
  11/beta:          ^
  11/edge:          ^

いくつかでてきますが,Publisherが nextcloud になっている公式のstableを使います.ちなみにこのコマンドを叩いた時点で19.0.0や18.0.5が出ていてこの記事執筆時点で18.0.6が出ています.ちょっと反映が遅いみたいですね.

snap版Nextcloudを導入
$ sudo snap install nextcloud

しばらく時間がかかりますが,これでNextcloudと関連のApache httpd/PHP/MySQL等が設定済みの状態で導入されます.

$ ps aux | grep -i nextcloud
root     17628  0.0  0.0   1872   196 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/delay-on-failure mdns-publisher nextcloud
root     17615  0.0  0.1   1872  1168 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/nextcloud-cron
root     17657  0.0  0.1   1872  1200 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/renew-certs
root     17681  0.0  0.1   1872  1272 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/start-php-fpm
root     17712  0.0  0.1   1872  1216 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/start-redis-server
root     17765  0.0  0.6 258120  6008 ?        Sl   00:10   0:00 mdns-publisher nextcloud
root     17987  0.0  0.1   1872  1200 ?        Ss   00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/run-httpd -k start -DFOREGROUND
root     18069  0.1  0.1   1872  1168 ?        Ss   00:10   0:01 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/start_mysql
root     18111  0.0  0.1   1872  1100 ?        S    00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/mysqld_safe --datadir=/var/snap/nextcloud/21169/mysql --pid-file=/tmp/pids/mys
ql.pid --lc-messages-dir=/snap/nextcloud/21169/share --socket=/tmp/sockets/mysql.sock
root     18128  0.9 22.0 1815000 210060 ?      Sl   00:10   0:08 /snap/nextcloud/21169/bin/mysqld --basedir=/snap/nextcloud/21169 --datadir=/var/snap/nextcloud/21169/mysql --plu
gin-dir=/snap/nextcloud/21169/lib/plugin --lc-messages-dir=/snap/nextcloud/21169/share --log-error=error.log --pid-file=/tmp/pids/mysql.pid --socket=/tmp/sockets/mysql.sock
root     18196  0.0  2.1 200580 21712 ?        Ss   00:10   0:00 php-fpm: master process (/snap/nextcloud/21169/config/php/php-fpm.conf)
root     18980  0.0  0.1   1872  1276 ?        S    00:10   0:00 /bin/sh /snap/nextcloud/21169/bin/httpd-wrapper -k start -DFOREGROUND
root     19017  0.0  0.0   6168  0280 ?        S    00:10   0:00 httpd -d /snap/nextcloud/21169 -k start -DFOREGROUND
root     19018  0.0  0.1 1211772 1612 ?        Sl   00:10   0:00 httpd -d /snap/nextcloud/21169 -k start -DFOREGROUND
root     19019  0.0  0.1 880108  1668 ?        Sl   00:10   0:00 httpd -d /snap/nextcloud/21169 -k start -DFOREGROUND
root     19020  0.0  0.1 1080512 1656 ?        Sl   00:10   0:00 httpd -d /snap/nextcloud/21169 -k start -DFOREGROUND
root     19221  0.0  0.0 1716012 0292 ?        Sl   00:10   0:00 httpd -d /snap/nextcloud/21169 -k start -DFOREGROUND

これでもうデーモンも起動しているので対象マシンのホスト名やipアドレスをウェブブラウザに入力して任意の管理者ユーザのユーザ名とパスワードを入力して登録します.同じネットワークだと誰でも繋いで設定できてしまうので注意しましょう.

管理者ユーザ登録画面

snap nextcloud 20200609 22:06:09 329531

「推奨アプリをインストール」にチェックを入れておくと便利な推奨アプリが導入されます.時間がかかるので後でもいいかもしれません.

これでとりあえずNextcloudが利用できるようになりました.実はここまでは snapパッケージが amd64以外にも arm64. armhf, i386, ppc64el に対応しているので armhf/arm64 な Raspberry Pi などでも動作します.

続いて OnlyOffice, community edition の server版を導入します.

Nextcloudのウェブからも導入できるのですが,300MB程とサイズが大きく回線によってはタイムアウトしてしまいます.

snap nextcloud 20200606 19:06:50 477356

その場合は occ コマンドで導入します.(snapなので nextcloud.occ コマンドを使います)

$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install documentserver_community

これでも失敗することがあります.その場合は手動でGitHub からアーカイブを入手して手動で展開して有効化します.(この方法だとamd64以外でも導入はできちゃいますが動かないので注意)

$ COUNT=1; while :;do wget https://github.com/nextcloud/documentserver_community/releases/download/v0.1.6/documentserver_community.tar.gz && break; c=$(( $c + 1 )) ;sleep 10; done;echo $COUNT
$ sudo tar xvf ./documentserver_community.tar.gz -C /var/snap/nextcloud/current/nextcloud/extra-apps/
$ sudo chown -R root.root /var/snap/nextcloud/current/nextcloud/extra-apps/documentserver_community
$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:enable documentserver_community

CollaboraはAppImageを使っていたのでファイル数は少なかったですがこちらは普通にディレクトリに展開されるようでたくさんあります.

$ sudo find /var/snap/nextcloud/current/nextcloud/extra-apps/documentserver_community | wc -l
12935

続いてOnlyOfficeアプリも導入します.

これはOnlyOffice Serverに繋いでやり取りするものです.Nextcloud のアプリ画面若しくは以下のコマンドで導入します.

$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install onlyoffice

これでNextcloudに戻って対応ドキュメントを開いたり新規作成するとOnlyOfficeが起動して編集できるはずです :)

snap nextcloud 20200609 23:06:12 405447
snap nextcloud 20200610 00:06:05 415116

アプリが導入されているけどうまく行かない場合はOnlyOfficeアプリを導入し直すとうまく行くかもしれません.(OnlyOfficeアプリがServerより先に導入されるとうまく行かない)

$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:remove onlyoffice
$ sudo /snap/bin/nextcloud.occ app:install onlyoffice

とりあえずこれでお試しは出来る感じです.実際に運用するにはhttps化したりバックアップを定期的に取るようにしたりなど設定したほうがいいですがパスやコマンド以外は通常のNextcloudと同じだと思います.
主なパスやコマンドはこうなっています.

  • 設定ファイル /var/snap/nextcloud/current/nextcloud/config/config.php
  • Nextcloudデータ,ログ /var/snap/nextcloud/common/
  • 関連アプリ格納 /var/snap/nextcloud/current/
  • occ /snap/bin/nextcloud.occ
  • mysql-client /snap/bin/mysql-client
  • mysqldump /snap/bin/nextcloud.mysqldump

dbのアカウント情報は設定ファイルに載っています.

$ sudo grep db /var/snap/nextcloud/current/nextcloud/config/config.php
  'dbtype' => 'mysql',
  'dbname' => 'nextcloud',
  'dbhost' => 'localhost:/tmp/sockets/mysql.sock',
  'dbport' => '',
  'dbtableprefix' => 'oc_',
  'dbuser' => 'nextcloud',
  'dbpassword' => 'wdwYevflNhziZDUxxG2OXJs6el4zThtkmX20Bijih7Zh_4XU58OkZs3TAt7TCJjt',

設定ファイルを編集してデーモンを再起動したい場合はこんな感じで再起動できます.

$ sudo snap restart nextcloud

てことでsnap版Nextcloudはお試しにはおすすめです.
OnlyOfficeは今のところamd64環境しか提供されていませんがRaspberry Pi などでも動くようにしたいと言っているのでこれも期待です.

Nextcloud 19 だと先日紹介したCollaboraも同様にWebから導入できるのでおすすめです.

LibreOffice Impress の HTML WebCast 書き出しで遠隔プレゼン機能を試す

add 2020-06-05

該当しそうなBug

オンラインでプレゼンテーションをするとき一般的には画面共有すると思いますが,スライドファイルを前もって配布しておいてお互いそれを見ながらプレゼンも出来ます.
その間くらいの機能でスライドのページめくりをプレゼンターと視聴者で同期するサービスが欲しいなと思っています.
以下のようなサービスがあるようですが自分が何度か試した限りでは「ログイン/新規登録」が出来ず使えていません.

LibreOffice Impress のHTML 書き出し機能にWebCast 機能を見つけたので試してみました.
しかし紹介しておいてなんですがこの機能は長らくメンテされていないようなのであまり使わないほうがいいかもしれません.(Perl cgi環境も用意しにくいだろうし)

ヘルプもざっくりとした説明しかありません.

HTML 形式で保存するプレゼンテーションを開きます。

ファイル → エクスポート を行ないます。

ファイル書式 を HTML ドキュメント (LibreOffice Impress) (.html;.htm) に設定します。

ファイル名 を入力して、エクスポート をクリックします。

HTML エクスポート ウィザードの指示に従います。

てことでメモがてら.

LibreOffice Impress で書き出したいスライドを開きます.

「ファイル」→「エクスポート」でエクスポートウィドウが開きます.

LibreOffice WebCast01

書き出し先のディレクトリ(複数のファイルが書き出されるので新しいディレクトリを用意したほうが良い)を指定し,任意のファイル名を指定します.
「ファイル形式」に「HTML ドキュメント (Impress) (.html;.htm)」を選択して「エクスポート」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast02

「デザインの割り当て」は初回は「新規デザイン」しか選べません.「次へ」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast03

「発表方法」に「WebCast」を選択し,右側の「WebCast」では「Perl」を選択します(ASPは未検証).テキストボックスは規定値のままで構いません.「次へ」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast04

「名前を付けて画像を保存」(原文は Save Image As なので訳が間違っていそう)で画像形式を,「モニターの解像度」でスライドの解像度を指定します.「作成」ボタンで書き出されます.
書き出し時にHTMLデザインの保存ウィンドウが表示されますがキャンセルも出来ます.

LibreOffice WebCast05

書き出したディレクトリを見ると,スライドの画像といくつかの.htmlファイルや.plなども出力されています.これらのファイルをcgiの動くsiteにコピーします.
今はcgiの動く場所がとても限られているのでこれが一番難しいかもしれないですね.

$ ls -w 80 ./slide_dir
common.pl    img15.png  img24.png  img33.png  img42.png  img51.png  img7.png
currpic.txt  img16.png  img25.png  img34.png  img43.png  img52.png  img8.png
editpic.pl   img17.png  img26.png  img35.png  img44.png  img53.png  img9.png
img0.png     img18.png  img27.png  img36.png  img45.png  img54.png  index.html
img1.png     img19.png  img28.png  img37.png  img46.png  img55.png  picture.txt
img10.png    img2.png   img29.png  img38.png  img47.png  img56.png  poll.pl
img11.png    img20.png  img3.png   img39.png  img48.png  img57.png  savepic.pl
img12.png    img21.png  img30.png  img4.png   img49.png  img58.png  show.pl
img13.png    img22.png  img31.png  img40.png  img5.png   img59.png  slide.html
img14.png    img23.png  img32.png  img41.png  img50.png  img6.png   webcast.pl

今回は自宅の適当なApache httpdの動いている環境にコピーしました.

$ scp -r ./slide_dir user@host:~/public_html/cgi-bin/

この環境は .cgi しかcgiとして動かないので,.htaccess を作成して .pl もcgiとして動くようにしました.

$ echo 'AddHandler cgi-script .pl' > ./.htaccess
$ cat ./.htaccess
AddHandler cgi-script .pl

次に *.pl ファイルに実行権を付与します.httpdのユーザが実行できる権限にします.

$ chmod o+x ./*.pl

次にページ管理ファイルの currpic.txt に読み書き権を付与します.httpdのユーザが読み書きできる権限にします.

$ chmod o+rw ./currpic.txt

これは恐らくサーバの環境依存でやらなくても動く環境のほうが多いと思うので一旦スキップして動かなかったら設定してください.editpic.pl, editpic.pl, savepic.pl, show.pl ファイルの require "common.pl"; 行を require "./common.pl"; に書き換えます.

- require "common.pl";
+ require "./common.pl";

この状態でウェブブラウザで視聴者は index.html を,プレゼンターは slide.html (html書き出し時のファイル名)を開けばOKなはずです.

以下今回試したサンプルです.多分すぐに消します.

仕組みとしてはプレゼンターがページめくり操作をすると,ページ番号の保存されている currpic.txt ファイルにページ番号を格納.
視聴者側のブラウザでは1秒毎に cgi を呼び出していて,呼び出された cgi 側では現在のページ番号が保存されている currpic.txt の内容から該当のページを表示する.といったことをしているようです.
そのためプレゼンターが操作してから実際に視聴者のページが更新されるまで数秒掛かる感じです.

中を見ると解りますがライブラリも同梱の小さな独自ライブラリ1つだけで行数も少なくとてもプリミティブです.これは誰も使わず埋もれて何年も放置されていそうです.
出来ることなら最近のギジュとで書き直されてほしいけどこれまでの放置っぷりから難しそうですね.

とりあえずはWebに公開して口頭でページめくりを指示するのが現実的そうです.
(それか普通に画面共有)

LibreOffice環境
$ dpkg-query -W libreoffice
libreoffice     1:6.4.4-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64
WebServer環境
$ dpkg-query -W apache2 perl
apache2 2.4.41-4ubuntu3
perl    5.30.0-9build1
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu 20.04 LTS
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64