LibreOffice Impress の HTML WebCast 書き出しで遠隔プレゼン機能を試す

add 2020-06-05

該当しそうなBug

オンラインでプレゼンテーションをするとき一般的には画面共有すると思いますが,スライドファイルを前もって配布しておいてお互いそれを見ながらプレゼンも出来ます.
その間くらいの機能でスライドのページめくりをプレゼンターと視聴者で同期するサービスが欲しいなと思っています.
以下のようなサービスがあるようですが自分が何度か試した限りでは「ログイン/新規登録」が出来ず使えていません.

LibreOffice Impress のHTML 書き出し機能にWebCast 機能を見つけたので試してみました.
しかし紹介しておいてなんですがこの機能は長らくメンテされていないようなのであまり使わないほうがいいかもしれません.(Perl cgi環境も用意しにくいだろうし)

ヘルプもざっくりとした説明しかありません.

HTML 形式で保存するプレゼンテーションを開きます。

ファイル → エクスポート を行ないます。

ファイル書式 を HTML ドキュメント (LibreOffice Impress) (.html;.htm) に設定します。

ファイル名 を入力して、エクスポート をクリックします。

HTML エクスポート ウィザードの指示に従います。

てことでメモがてら.

LibreOffice Impress で書き出したいスライドを開きます.

「ファイル」→「エクスポート」でエクスポートウィドウが開きます.

LibreOffice WebCast01

書き出し先のディレクトリ(複数のファイルが書き出されるので新しいディレクトリを用意したほうが良い)を指定し,任意のファイル名を指定します.
「ファイル形式」に「HTML ドキュメント (Impress) (.html;.htm)」を選択して「エクスポート」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast02

「デザインの割り当て」は初回は「新規デザイン」しか選べません.「次へ」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast03

「発表方法」に「WebCast」を選択し,右側の「WebCast」では「Perl」を選択します(ASPは未検証).テキストボックスは規定値のままで構いません.「次へ」ボタンを押します.

LibreOffice WebCast04

「名前を付けて画像を保存」(原文は Save Image As なので訳が間違っていそう)で画像形式を,「モニターの解像度」でスライドの解像度を指定します.「作成」ボタンで書き出されます.
書き出し時にHTMLデザインの保存ウィンドウが表示されますがキャンセルも出来ます.

LibreOffice WebCast05

書き出したディレクトリを見ると,スライドの画像といくつかの.htmlファイルや.plなども出力されています.これらのファイルをcgiの動くsiteにコピーします.
今はcgiの動く場所がとても限られているのでこれが一番難しいかもしれないですね.

$ ls -w 80 ./slide_dir
common.pl    img15.png  img24.png  img33.png  img42.png  img51.png  img7.png
currpic.txt  img16.png  img25.png  img34.png  img43.png  img52.png  img8.png
editpic.pl   img17.png  img26.png  img35.png  img44.png  img53.png  img9.png
img0.png     img18.png  img27.png  img36.png  img45.png  img54.png  index.html
img1.png     img19.png  img28.png  img37.png  img46.png  img55.png  picture.txt
img10.png    img2.png   img29.png  img38.png  img47.png  img56.png  poll.pl
img11.png    img20.png  img3.png   img39.png  img48.png  img57.png  savepic.pl
img12.png    img21.png  img30.png  img4.png   img49.png  img58.png  show.pl
img13.png    img22.png  img31.png  img40.png  img5.png   img59.png  slide.html
img14.png    img23.png  img32.png  img41.png  img50.png  img6.png   webcast.pl

今回は自宅の適当なApache httpdの動いている環境にコピーしました.

$ scp -r ./slide_dir user@host:~/public_html/cgi-bin/

この環境は .cgi しかcgiとして動かないので,.htaccess を作成して .pl もcgiとして動くようにしました.

$ echo 'AddHandler cgi-script .pl' > ./.htaccess
$ cat ./.htaccess
AddHandler cgi-script .pl

次に *.pl ファイルに実行権を付与します.httpdのユーザが実行できる権限にします.

$ chmod o+x ./*.pl

次にページ管理ファイルの currpic.txt に読み書き権を付与します.httpdのユーザが読み書きできる権限にします.

$ chmod o+rw ./currpic.txt

これは恐らくサーバの環境依存でやらなくても動く環境のほうが多いと思うので一旦スキップして動かなかったら設定してください.editpic.pl, editpic.pl, savepic.pl, show.pl ファイルの require "common.pl"; 行を require "./common.pl"; に書き換えます.

- require "common.pl";
+ require "./common.pl";

この状態でウェブブラウザで視聴者は index.html を,プレゼンターは slide.html (html書き出し時のファイル名)を開けばOKなはずです.

以下今回試したサンプルです.多分すぐに消します.

仕組みとしてはプレゼンターがページめくり操作をすると,ページ番号の保存されている currpic.txt ファイルにページ番号を格納.
視聴者側のブラウザでは1秒毎に cgi を呼び出していて,呼び出された cgi 側では現在のページ番号が保存されている currpic.txt の内容から該当のページを表示する.といったことをしているようです.
そのためプレゼンターが操作してから実際に視聴者のページが更新されるまで数秒掛かる感じです.

中を見ると解りますがライブラリも同梱の小さな独自ライブラリ1つだけで行数も少なくとてもプリミティブです.これは誰も使わず埋もれて何年も放置されていそうです.
出来ることなら最近のギジュとで書き直されてほしいけどこれまでの放置っぷりから難しそうですね.

とりあえずはWebに公開して口頭でページめくりを指示するのが現実的そうです.
(それか普通に画面共有)

LibreOffice環境
$ dpkg-query -W libreoffice
libreoffice     1:6.4.4-1
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64
WebServer環境
$ dpkg-query -W apache2 perl
apache2 2.4.41-4ubuntu3
perl    5.30.0-9build1
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu 20.04 LTS
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64

Bluetooth ヘッドセットが A2DP に切り替えられなくて困る

最近Bluetooth ヘッドセットで A2DP に切り替えが出来なくなっていました.オーディオプロファイルを A2DP にしようとすると変更に失敗します.

20200410 03:04:39 1847144

20200410 03:04:39 1847144 2

有線のヘッドホン(セリア製100円!)で使っていたのですが頭に合わなかったり不自由なので調べることに.
以下のページを見つけました.

どうも PulseAudio の自動切り替えがうまく行っていないようでこれを無効にすることで直りました.

具体的な設定は, /etc/pulse/default.pa ファイルの load-module module-bluetooth-policyauto_switch=false というオプションを付けでデーモンの再起動です.

/etc/pulse/default.pa を修正.
$ sudo git -C /etc diff /etc/pulse/default.pa
diff --git a/pulse/default.pa b/pulse/default.pa
index f670be0..494c1ce 100644
--- a/pulse/default.pa
+++ b/pulse/default.pa
@@ -64,7 +64,7 @@ load-module module-jackdbus-detect channels=2

 ### Automatically load driver modules for Bluetooth hardware
 .ifexists module-bluetooth-policy.so
-load-module module-bluetooth-policy
+load-module module-bluetooth-policy auto_switch=false
 .endif

 .ifexists module-bluetooth-discover.so
daemonを再起動(Pulseaudioは自動復帰した)
$ pulseaudio -k
$ sudo service bluetooth restart

この後ヘッドセットを接続し直すことでA2DPが使えるようになりました.

今使っているヘッドセットは Aukey EP-B26 で長時間使えていたのが良かったのですが,バッテリーがへたってしまっています.今はUSBケーブルで給電しながら使っています.有線なんだけど細いケーブル(100円ショップの巻取りUSB microBの中の線だけにしたもの)で小さなモバイルバッテリーをポケットに入れて使うと結構自由度高い感じです.

でも出来れば新調したいところ.同じものはもう売ってないようなのでこのへんとかかな?

AfterShokz も気になってるけどちょっとお高いですね.

環境
$ dpkg-query -W pulseaudio* bluez* blueman
blueman 2.1.2-1
bluez   5.53-0ubuntu2
bluez-alsa
bluez-audio
bluez-cups      5.53-0ubuntu2
bluez-gnome
bluez-input
bluez-network
bluez-obexd     5.53-0ubuntu2
bluez-serial
bluez-utils
pulseaudio      1:13.99.1-1ubuntu1
pulseaudio-module-bluetooth     1:13.99.1-1ubuntu1
pulseaudio-utils        1:13.99.1-1ubuntu1
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu Focal Fossa (development branch)
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64
$ lsusb -d 0a5c:217f
Bus 001 Device 016: ID 0a5c:217f Broadcom Corp. BCM2045B (BDC-2.1)
$ lspci | grep -i audio
00:1b.0 Audio device: Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset High Definition Audio (rev 06)

Raspberry Pi公式のOS書き込みソフトウェアの Raspberry Pi Imager を少し試す

Instagram の動画がわかりやすいですね.
Raspberry Pi公式のOSイメージ書き込みソフトウェアです.少し試してみました.

導入

ダウンロードページにはWindows/macOSの他 Ubuntu amd64 向けの.debへのリンクしか無いのですが, https://downloads.raspberrypi.org/imager/ にアクセスすると AppImage と .sig がありました.
どちらも amd64 なので他のArchtectureじゃ使えないようです.Raspbianのarmhf版くらいは欲しいですね.

とりあえず Ubuntu 20.04 amd64 では .deb を,Debian sid amd64 では AppImage を試してみました.

debの場合

ダウンロードして署名検証して dpkg -i で導入したのですがpkgが足りなくてエラーが出力されました.足りないパッケージは apt install -f で導入しました.足りなかったパッケージは qml-module-qt-labs-settingslibdleyna-core-1.0-5 でした.(環境により変わるはず)

$ wget https://downloads.raspberrypi.org/imager/imager_amd64.deb https://downloads.raspberrypi.org/imager/imager_amd64.deb.sig
$ gpg --verify ./imager_amd64.deb.sig
gpg: assuming signed data in './imager_amd64.deb'
gpg: Signature made Fri Mar  6 20:49:08 2020 JST
gpg:                using RSA key 54C3DD610D9D1B4AF82A37758738CD6B956F460C
gpg: Good signature from "Raspberry Pi Downloads Signing Key" [unknown]
gpg: WARNING: This key is not certified with a trusted signature!
gpg:          There is no indication that the signature belongs to the owner.
Primary key fingerprint: 54C3 DD61 0D9D 1B4A F82A  3775 8738 CD6B 956F 460C
$ sudo dpkg -i ./imager_amd64.deb
$ sudo apt install -f
$ sudo rpi-imager
AppImage の場合

ダウンロードして署名検証して実行権を付けるだけです.

$ wget https://downloads.raspberrypi.org/imager/imager_amd64.AppImage https://downloads.raspberrypi.org/imager/imager_amd64.AppImage.sig
$ gpg --verify ./imager_amd64.AppImage.sig
gpg: assuming signed data in './imager_amd64.AppImage'
gpg: Signature made Fri 06 Mar 2020 10:34:08 PM JST
gpg:                using RSA key 54C3DD610D9D1B4AF82A37758738CD6B956F460C
gpg: Good signature from "Raspberry Pi Downloads Signing Key" [unknown]
gpg: WARNING: This key is not certified with a trusted signature!
gpg:          There is no indication that the signature belongs to the owner.
Primary key fingerprint: 54C3 DD61 0D9D 1B4A F82A  3775 8738 CD6B 956F 460C
$ chmod +x ./imager_amd64.AppImage
$ sudo ./imager_amd64.AppImage
余録).debを展開してとりあえず実行
$ ar x ./imager_amd64.deb
$ tar xf data.tar.xz
$ sudo ./usr/bin/rpi-imager

起動

root権が必要です.一般ユーザでも起動できるのですが,書き込み時にSD cardにアクセスできないエラーが出てしまいます.

20200308 15:03:05 1211621

OS list 取得エラー(一時的なサーバ側の問題)

現在サーバ側でSSLの問題があり大抵以下のようなエラーになります.9回に1回の割合で成功するらしいですが,私は30回ほど試してやっとうまく行きました.数日待てば治るそうなのでしばらく待ってから試す方がいいかもしれません.

20200307 17:03:40 265752

Caleb says:5th Mar 2020 at 3:32 pm
Currently giving me a “Error downloading OS list from Internet” when running it on a raspberry pi 4b

Avatar Gordon Hollingworth says:5th Mar 2020 at 5:05 pm
Yes, that’s because downloads.raspberrypi.org needs its SSL stuff updated. It should happen in the next few days!

Otherwise keep loading it, there’s a 1 in 9 chance you’ll get through to the server that does work!

Gordon

ちなみにOS listが取得できなくても自分でダウンロードしたイメージの書き込みやSD cardの消去は出来ます.

20200307 17:03:24 252063

Imagerの起動

起動するとこんな画面です.「CHOOSE OS」でOSイメージの選択(Raspbian各種とLibreELEC),ユーティリティ,消去,カスタムが選択できます.
「CHOOSE SD CARD」でSD cardやUSBメモリなどが選択できます.

20200307 17:03:12 251909

OSイメージの選択

20200308 15:03:20 1209635
20200308 15:03:02 1210096

SD card等の選択「CHOOSE SD CARD」

この画面を表示してからSD cardやUSBメモリ等を挿入するとリアルタイムに表示さるのでわかりやすいです.内蔵diskは出てきませんが,マウント中のHDDなどは出てくるので間違えないように注意しましょう.
選択できるストレージは1度に1つだけのようです.複数のメディアに書き込む場合は複数回の実行が必要です.

20200308 15:03:27 1210403

OSイメージ書き込み

「WRITE」ボタンを押すことで書き込みが開始されます.SecureEraseを試みてイメージ書き込み,ベリファイを行います.終わるまでしばらく待ちましょう.

20200308 15:03:57 1211527
20200308 15:03:30 1211923
20200308 15:03:30 1215554

自動ダウンロードしたイメージ

deb版の方は ~root/.cache/Raspberry Pi/Imager/lastdownload.cache として 最後に利用したものだけ が残るようです.なので同じイメージであれば2回目はダウンロードせずに済みます.
別のイメージを利用すると上書きされてそのイメージになります.

AppImage は /tmp/runtime-root 以下のようなので再起動したら消えてしまいますね.

QStandardPaths: XDG_RUNTIME_DIR not set, defaulting to ‘/tmp/runtime-root’

rpi-imagerでLibreELEC RPi1を書き込んだ後出来たキャッシュファイルと LibreELEC からダウンロードしたファイルを比較
# sha256sum ./lastdownload.cache
80cd38e0a576f75caaecf511970ae563c5b605896074809643aecfdc91344bcf  ./lastdownload.cache
# wget http://releases.libreelec.tv/LibreELEC-RPi.arm-9.2.0.img.gz
# sha256sum LibreELEC-RPi.arm-9.2.0.img.gz
80cd38e0a576f75caaecf511970ae563c5b605896074809643aecfdc91344bcf  LibreELEC-RPi.arm-9.2.0.img.gz
# diff -as lastdownload.cache LibreELEC-RPi.arm-9.2.0.img.gz
Files lastdownload.cache and LibreELEC-RPi.arm-9.2.0.img.gz are identical

おわりに

てことで応用が聞かない感じなのでRaspberry Piを初めて使う人向けかなーと感じました.LibreELECなんかも同じようなツールを用意しているしOSイメージ書き込みで躓く人が多いのでツールが用意されているのかもしれないですね.
更に面倒だという人はOSイメージ入りのストレージを購入すると良さそうです.

個人的なおすすめは現在だとダウンロードは手動で書き込みには balenaEtcher がいいかなと思います.これもマルチプラットホーム対応で更に同時に複数のストレージに書き込みも可能です.

試した環境

deb版を試したUbuntu環境
$ dpkg-query -W rpi-imager qml-module-qt-labs-settings libdleyna-core-1.0-5
libdleyna-core-1.0-5:amd64
qml-module-qt-labs-settings:amd64       5.12.5-5
rpi-imager      1.0
$ lsb_release -dr
Description:    Ubuntu Focal Fossa (development branch)
Release:        20.04
$ uname -m
x86_64
AppImage版を試したDebian環境
$ lsb_release -dr
Description:    Debian GNU/Linux bullseye/sid
Release:        unstable
$ uname -m
x86_64